白。 全てが白に覆われた空間で、何かが眠っていた。 翼と脚と尾びれ、羽と毛皮と鱗を併せ持つ何か。 それが翼をはためかせるにつれ、空が広がった。脚を動かすたびに、大地が出現した。尾びれをしならせるごとに、海が湧きだした。 羽が揺れると風が流れ、毛皮がそよぐと光があふれ、鱗が煌めくと波がうまれた。 そして、それが長く深い眠りから覚めると、周囲には命があふれていた。